『全部自分でやった方が早い』が落とし穴になる理由 ~チームで成果を出すエンジニアへの第一歩~
こんにちは。クラウン情報テクノロジー代表の増井です。
今回は「エンジニアの仕事術」のカテゴリとして、若手~中堅層のエンジニアが陥りがちな思考、「全部自分でやった方が早い」に潜む落とし穴についてお話ししたいと思います。
1. “全部自分でやる”という一見合理的な思考
仕事に慣れてくると、どうしても「自分でやった方が早い」と感じる場面が増えてきます。
特に、責任感が強く真面目な人ほど、「人に任せるくらいなら、自分でやってしまおう」と抱え込みがちです。
確かに、
- 後輩に説明する手間
- ミスのフォローや修正
- 進捗管理の面倒さ
を考えれば、自分で完結させたくなる気持ちも理解できます。
ですが、それは「目の前の作業効率」だけを見た、短期的な判断です。
2. 抱え込みが生む“長期的な非効率”
「自分でやった方が早い」を続けると、以下のような問題が発生します。
▶ 属人化
自分しか分からない作業が増えると、他の人が対応できず、いざという時に業務が止まります。
▶ チームの成長が止まる
他のメンバーに業務を任せなければ、育成機会が失われ、チーム全体の成長が鈍化します。
▶ 自分自身の成長の機会損失
手を動かす作業に追われるあまり、上流工程の経験やマネジメントスキルを身につけるチャンスを逃してしまいます。
3. 任せる力は“育てる力”
エンジニアにとって大切なのは、タスクをこなすだけでなく、他人に任せる技術です。
ただし、ここで重要なのは「手取り足取り教えすぎない」こと。
最初から細かく指示しすぎたり、答えを出しすぎてしまうと、相手の自律性が育ちません。
つまり、「任せる」とは「見守る」と「突き放す」のバランス感覚が求められるのです。
▶ 過保護は成長を妨げる
過保護にしてしまうと、自ら考え、判断し、実行する機会を奪ってしまいます。
最初は戸惑うことがあっても、“自分でやってみる”経験を積ませることが、長い目で見ればチーム全体の強化につながります。
4. 報連相・引き継ぎ文化で“見える化”する
以前のブログ「なぜ“報連相”が、ITエンジニアにこそ重要なのか」でもお伝えしましたが、
報連相は、自分がきちんと仕事をしていることの“担保”になると私は考えています。
突発的な病欠やトラブル時にも、報連相で進捗や背景がチームに共有されていれば、「きちんとやっていたこと」が証明できます。
最悪の場合でも、「これは自分だけの問題ではなく、関係者に共有済みで、むしろ連帯責任の話」という論理的な防御も可能になります。
つまり、報連相とは自分の信用を守る“保険”でもあるのです。
5. 引き継ぎ・ドキュメントは未来の自分のため
設計書、議事録、引き継ぎ資料――これらはチームの資産であり、未来の自分のための「備忘録」にもなります。
丁寧に記録を残しておけば、しばらく後に同じ作業が回ってきた時にスムーズに再開できますし、他人が読んでも分かる内容であれば、作業の属人性も減らせます。
まとめ
「全部自分でやった方が早い」
この考え方は、短期的には正しくても、長期的には非効率です。
- チームで成果を出す視点を持つ
- 報連相で自分の作業を“見える化”し、信用を守る
- 引き継ぎやドキュメントで属人化を防ぐ
- 任せて育てることで、チーム力も自分のキャリアも高まる
そして、必要以上に手を差し伸べない勇気も、リーダーの大事なスキルです。
クラウン情報テクノロジーでは、こうした文化を大切にしながら、若手・中堅が安心してステップアップできる組織づくりを進めています。



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