“手を動かす”だけのエンジニアで終わらないために

こんにちは、クラウン情報テクノロジーの増井です。
「エンジニアの仕事術」カテゴリとして、今回は「技術があるのに伸び悩む」「なぜか任されない」という声に応える内容を書いてみようと思います。

日々の現場で、プログラムを書く、調査をする、ドキュメントを書く──そうした業務に真面目に向き合っているのに、“手を動かして終わり”になっていないか?
そんな問いを通じて、「信頼されるエンジニア」への道筋を一緒に考えていきましょう。


1. 「できるのに任されない」理由

まず現場でよく見かけるのが、「技術力はあるのに、なぜか任されない」エンジニアの存在です。

たとえば:

  • 実装スピードは早いが、背景を理解せず誤解が多い
  • 質問をされると黙り込んでしまい、クライアントとの会話が成立しない
  • 周囲との連携を自ら取らないため、プロジェクト全体が見えづらい

このような場合、いくらコードが書けても「誰かが管理しなければならない存在」になってしまいます。
つまり、“戦力”でありながら“信頼の対象”になっていないのです。

信頼されるには、単なるタスク実行者を越えて、その仕事の意味や背景まで汲み取れることが必要になります。


2. 「話せる・聞ける」は一歩抜け出す力

ここで出てくるのが、「会話力」です。
といっても難しい交渉術やスピーチ力ではありません。
“伝わる話し方”と“きちんと聞く力”のことです。

たとえば:

  • 「この仕様の背景って、こういう理由ですか?」と聞き返せる
  • 「つまり、こういう動きにしたいんですね」と要望を言い換えて確認できる
  • 実装中に気づいた懸念を、曖昧なままにせず共有できる

こうした姿勢があると、ただの技術者から、“共に考えるパートナー”へと印象が変わります。

以前ブログで紹介した「PREP法」や「助詞にアクセントを置かない話し方」なども、まさにこの土台作りのために役立つ技術です。
技術的スキルの裏にある“言葉の力”は、信頼を築くうえで欠かせません。


3. 業務知識にこそ、エンジニアの差が出る

もうひとつ、任されるために重要なのが「業務理解」です。

特に当社のように金融ITに特化したプロジェクトでは、業務の背景を知らなければ、なぜそのシステムが必要なのかが見えてきません。

  • 株式や保険、資産運用の仕組みを理解しているか
  • 顧客の「決済が遅れたらどうなるか」の肌感を持っているか
  • 業務上の制約(例:金融庁対応、監査対応)に敏感か

こうした知識や感覚は一朝一夕では身につきませんが、習得するほど設計やテストの判断力が深くなり、「この人には任せられる」という評価につながります。

技術職でありながら、業務の言葉で話せる人。
その存在は、現場にとって非常に頼もしく、代替が効きません。


4. 価値は“積み重ね”で生まれる

ここまでの話を読みながら、「地味だな」と思われた方もいるかもしれません。
でも、まさにその“地味さ”こそが、長く価値を生む土台です。

前回ご紹介した『タピオカ屋はどこへいったのか?』では、短期のブームに乗る商売が、基盤を築けずに消えていく様子が描かれていました。
それと同じように、技術者のキャリアも「映え」より「積み重ね」が大切です。

派手なスキルや資格ではなく、

  • ある業界で信頼を積んだこと
  • 複数プロジェクトで同じお客様に呼ばれたこと
  • 若手に教えられる知識を持っていること

こうした“見えにくいけど揺るがない価値”が、エンジニアとしての市場価値を支えます。


まとめ:「任される人」になるためのアップデートを

“手を動かす”だけでも仕事はできます。
でも、それでは替えが利いてしまいます。

そこから抜け出すには──

  • 相手の言葉に耳を傾け、背景を聞くこと
  • 自分の意見や気づきを言葉にすること
  • 業務知識を学び続けること
  • 「この人に任せたい」と思わせる誠実さを積むこと

そうした姿勢が、“できる人”ではなく“任される人”へと導いてくれるのだと思います。

当社が目指すのは、小さくても専門性で信頼されるエンジニア集団です。
「ただの人手」ではなく、「いてくれないと困る人」に。
そんな仲間が、ここからまた一人増えることを願っています。

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