『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』から学ぶ組織の教訓

こんにちは。クラウン情報テクノロジーの増井です。

当社のブログカテゴリ「社長の本棚」では、毎月月末の最終週に私が読んだ本を紹介しています。
先月(8月最終週)は、日本の組織論を考えるうえで古典ともいえる 『失敗の本質』 を取り上げました。

今回はその 続編 にあたる『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』をご紹介します。
前作が「組織の失敗の構造」を分析していたのに対し、本作は「リーダーシップと組織文化」に焦点をあてています。
歴史を題材にしながらも、現代の企業や組織に重なる部分が非常に多く、読んでいて何度も頷かされました。


1.リーダーシップの本質

本書がまず問うのは「戦場におけるリーダーとは何か」です。
単に命令を出す人ではなく、

  • 大局を見据え、戦略を描く力
  • 部下の士気を高め、現場を動かす力
  • 想定外の事態に柔軟に対応する判断力

これらを兼ね備えた存在が真のリーダーであると説きます。

📖 感想:
システム開発でも「計画通りに進める」ことは稀で、むしろ想定外が当たり前です。
ここで必要なのは「柔軟に計画を修正し、現場を動かす力」。
プロジェクトマネージャーやリーダーに求められる資質が、戦場の教訓と驚くほど重なっていると感じました。


2.組織とリーダーシップ

次に描かれるのは、日本軍という組織そのものの構造です。

  • 上意下達の徹底により、現場の創意工夫が活かされない
  • 戦術レベルの強さに比べ、戦略レベルは脆弱
  • 失敗を正直に共有できない文化

📖 感想:
これは現代の日本企業にも残っている課題ではないでしょうか。
失敗を報告すると「評価が下がる」という意識が根強ければ、誰も口を開かなくなります。
結果として、同じ失敗を繰り返す。
システム開発においても、不具合や障害を隠さずに共有する文化を育てることが改善の第一歩だと実感しました。


3.リーダー像の研究

この章では具体的な指揮官たちが登場します。

  • 現場での統率力やカリスマ性は非常に高い
  • しかし全体の戦略を描く力に欠けるため、長期的には成果につながらない
  • 欧米の指揮官と比べると、その差が歴然

📖 感想:
「現場では強いが、大局を導けない」という姿は、自分自身への戒めとして響きました。
経営者も日々の案件対応に忙殺されると、戦略を描く余裕を失います。
現場と戦略を行き来するリーダーシップを意識しなければならない、と強く感じました。


4. 戦史の教訓

最後の章では、太平洋戦争を通じた戦史から導かれるリーダーシップの教訓が整理されています。

  • 日本軍は戦術的には強かったが、戦略的な総合力で劣っていた
  • 「現場の頑張り」で短期的な成果は出せても、長期戦略に結びつかない
  • 組織文化の硬直性が、時代の変化に適応できなかった

📖 感想:
ここで強調されているのは「歴史から学ばなければ同じ失敗を繰り返す」という点です。
これはシステム開発の世界でも同じ。過去の障害や失敗を「ただの出来事」で終わらせず、組織の知識として蓄積・改善に活かすことが必要です。まさに
「戦史=会社の開発史」だと読み替えて考えると、大きなヒントになりました。


まとめ:失敗から学ぶリーダー像

『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』は、戦史研究にとどまらず、現代組織への鋭いメッセージに満ちています。

私自身、読みながら「現場を理解する力」と「戦略を描く力」、その両方をもっと磨かなければと強く感じました。
そして、失敗を隠さず学びに変える文化を社内に根付かせることが、組織を成長させるための土台だと確信しています。

クラウン情報テクノロジーとしても、この教訓を日々の業務や組織づくりに活かし、強いチームを育てていきたいと思います。