エンジニアは何歳まで成長できるのか

こんにちは。株式会社クラウン情報テクノロジー代表の増井です。
先月は「成長するエンジニアの考え方」をテーマに、質問すること、報連相、説明する力、そして変化に対応することについて書いてきました。

今月は少し視点を変えて、「エンジニアのキャリア」について考えてみたいと思います。
その最初のテーマは、「エンジニアは何歳まで成長できるのか」です。

私は約30年間、金融ITの仕事に携わってきました。
そして経営者となった今も、現役のエンジニアとして金融系システム開発の現場に立っています。

そんな私が今感じているのは、エンジニアの成長に年齢による終わりはないということです。
ただし、年齢や経験とともに、成長の「中身」は変わっていくのだと思います。

1. 若い頃の成長は分かりやすい

エンジニアになったばかりの頃は、成長を実感しやすい時期だと思います。
新しいプログラミング言語を覚える。データベースについて学ぶ。一人でプログラムを作れるようになる。設計書を書けるようになる。

昨日できなかったことが、今日はできるようになる。
そのため、自分自身でも「成長している」と感じやすいのではないでしょうか。

経験を積んでいけば、担当できる仕事も少しずつ増えていきます。
しかし、10年、20年と仕事を続けていくと、若い頃と同じように「新しい技術を一つ覚えた」ということだけが成長ではなくなってきます。
ここから、エンジニアとしての成長の形が少しずつ変わってくるのだと思います。

2. 経験を積むほど「技術以外」の力が重要になる

もちろん、エンジニアである以上、技術を学び続けることは必要です。
ただ、経験を積んだエンジニアに求められるものは、それだけではありません。

例えば、お客様の業務を理解する力。要件を整理する力。問題が起きたときに原因を考える力。
複雑な内容を相手に分かりやすく説明する力。そして、周囲と協力しながら仕事を前に進める力。

こうした力は、一つの技術を覚えればすぐに身につくものではありません。
様々な仕事を経験し、失敗したり、悩んだり、人と話したりする中で、少しずつ身についていくものだと思います。

私が金融ITの仕事を長く続ける中でも、技術だけではなく、金融業務を理解することの重要性を強く感じてきました。
だから当社でも、IT資格だけではなく、証券外務員やFPなどの資格取得を勧めています。
エンジニアとして経験を積むほど、技術と業務知識の両方を持っていることが、大きな強みになっていくからです。

3. 年齢を重ねること自体が「経験」という強みになる

IT業界では、どうしても「若い人の方が有利なのではないか」と考えることがあるかもしれません。
確かに、新しい技術を覚えるスピードや体力など、若さが強みになる場面はあります。

しかし、長く仕事をしてきた人には、若い頃には持っていなかったものがあります。
それが経験です。

「以前、似たような問題があった」
「この進め方だと、後でこういう問題が起きるかもしれない」
「このお客様が本当に気にしているのは、ここではないか」

こうした判断は、教科書を読んだだけではなかなか身につきません。
特に金融系システムのように、業務知識や既存システムへの理解が重要な仕事では、長年積み重ねてきた経験が大きな価値になることがあります。

大切なのは、単に「経験年数が長い」ということではありません。
これまでの経験を、今の仕事にどう生かすか。
そこに、ベテランエンジニアならではの価値があるのだと思います。

4. 何歳になっても、新しく学ぶことはある

一方で、経験があるからといって、過去の知識だけで仕事を続けられるわけではありません。
IT業界は常に変化しています。

特に最近は、AI技術の進歩には目を見張るものがあります。
少し前まで人が時間をかけて行っていた作業をAIが支援してくれるようになり、エンジニアの仕事の進め方そのものも大きく変わり始めています。

私自身も、実際の仕事の中でAIを活用する機会が増えています。
長くエンジニアをやってきたからといって、これまでのやり方だけに頼っていては、こうした変化についていくことはできません。

そして、私が長く携わっている金融ITの世界では、学ばなければならないのはITだけではありません。
金融の世界でも新しい商品やサービスが次々と生まれ、制度やお客様のニーズも変化していきます。
それに伴って、システムに求められるものも変わっていきます。

つまり金融ITのエンジニアは、ITの変化と金融の変化、その両方を学び続ける必要があるのだと思います。
私は約30年間、金融ITの仕事をしてきましたが、今でも現場で「知らないこと」「分からないこと」はたくさんあります。

そのたびに調べたり、周囲の人に聞いたり、新しい技術やツールを実際に使ってみたりします。
以前の記事でも書きましたが、「分からない」と言えることは、若手だけに必要なことではありません。
むしろ経験を積んだからこそ、「自分はもう知っている」「今までのやり方で大丈夫」と思い込まないことが大切だと思っています。

技術も変わる。金融も変わる。仕事の進め方も変わる。
だからこそ、年齢に関係なく、新しいことを学ぶ姿勢を持ち続ける。
それができる人は、何歳になっても成長できるのではないでしょうか。

5. 成長の「中身」が変わっていく

私は、エンジニアのキャリアを「何歳まで成長できるか」と考えるよりも、「これから何を成長させるか」と考えた方がいいと思っています。

若い頃は、技術や知識を増やすことが成長かもしれません。
経験を積めば、設計や業務知識、説明する力が重要になってきます。
さらに経験を積めば、自分一人が仕事をできるだけではなく、周囲を支えたり、後輩を育てたり、お客様の課題そのものを考えたりすることも、自分自身の成長になります。

もちろん、全員が同じキャリアを歩む必要はありません。
技術を極める人もいれば、上流工程へ進む人、マネジメントをする人、特定の業務知識を深めていく人もいます。

重要なのは、年齢によって「もう成長する時期は終わった」と考えてしまわないことです。
年齢とともに成長が止まるのではなく、成長の中身が変わっていく。
私はそう考えています。

6. 私自身も、まだ成長の途中です

私は現在、会社を経営していますが、今も現役のエンジニアとして現場に立っています。
経営者だから現場にいる必要がない、という考え方もあると思います。

それでも私が現場に立ち続けている理由の一つは、以前このブログでも書いたように、現場を知り続けたいからです。
お客様が今何を求めているのか。エンジニアにどんな力が必要なのか。ITの仕事がどう変わっているのか。

実際の現場にいるからこそ分かることがあります。
そして、現場にいることで、私自身も新しいことを学び続けています。

30年経験しても、知らないことはあります。
経営についても、まだまだ学ぶことがあります。
だから私自身も、まだ成長の途中だと思っています。

7. まとめ

エンジニアは何歳まで成長できるのか。
私の答えは、「学び続ける限り、何歳でも成長できる」です。

ただし、若い頃と同じ成長をずっと続ける必要はありません。
技術を覚えることから、業務を理解することへ。自分で仕事をすることから、周囲と仕事を進めることへ。そして、自分の経験を誰かのために生かすことへ。

年齢や経験によって、成長の形は変わっていきます。
当社では、今できることだけで人を見るのではなく、これから何ができるようになりたいのか、どんなエンジニアになりたいのかということも大切にしたいと考えています。

若手でも、ベテランでも、まだ成長したいと思っている人には、その先があります。
私自身も、経営者として、そして現役のエンジニアとして、これからも学び続けたいと思います。

8. Podcast

Podcastでも、エンジニアとしての働き方や成長、会社経営についてお話ししています。

ご興味のある方は、ぜひお聞きください。

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