納期は絶対か?現場から見た判断軸
こんにちは。クラウン情報テクノロジー代表の増井です。
今回は「納期」というテーマを取り上げます。
「納期」と聞くと、アプリのカットオーバーやシステムリリースといった最終的な期限を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、ここで取り上げたいのはウォーターフォール型開発における各工程の納期、すなわち、要件定義・設計・開発・テストといった中間工程を含めたスケジュール感の話です。
スケジュール遵守の理想と現実
理想を言えば、全ての工程を予定通り進め、最初に定めた納期にきっちり納めることが望ましいでしょう。
しかし現実は、顧客の要望の変化、想定以上の複雑さ、不測のトラブルなど、想定外の要因によってスケジュールに遅れが生じることも珍しくありません。
そのとき、現場の判断として重要なのは「スケジュールを守るべきか」「交渉するべきか」という視点です。
納期調整という現実的な選択肢
当社では、スケジュールが厳しくなった場合において、以下のような代替案を検討するようにしています:
- 機能はそのままで納期を延ばす
- 機能を削って納期通りにリリースする
それぞれにメリットとデメリットがあります。
| 方針 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ① 機能そのまま・納期延期 | 品質が担保される | スケジュール変更によるコスト・信頼への影響 |
| ② 機能縮小・納期厳守 | 顧客のビジネス計画への影響が少ない | 後から追加開発が必要に |
ここで大切なのは、どちらを選択するかを現場だけで決めず、必ず上位顧客(エンドユーザー)に判断を仰ぐことです。
そのためにも、進捗状況や課題、提案内容を明確に伝えることが不可欠です。
納期と“報連相”の関係
こうした判断の背景には、日頃からの「報・連・相」が大きく関わってきます。
納期に関する問題が表面化した時点で、初めてバタバタと共有するのでは遅いのです。
日頃から、プロジェクトの進行状況や問題点をこまめに共有し、顧客やチームと認識をそろえておくことが、納期調整をスムーズに行うカギになります。
この“報連相”の大切さについては、前回のブログでも詳しく取り上げましたので、ぜひそちらもご参照ください。
納期は「交渉」するものでもある
スケジュール調整は決して「納期を守らないための言い訳」ではありません。
むしろ、顧客のビジネスや開発チーム全体の成功に向けた、最適な調整手段です。
プロジェクトの健全性や最終成果物の品質を保つためには、現実的な視点と誠実な説明によって、納期の見直しや対応策を検討することもプロの判断です。
まとめ
納期とは、「守るべき目標」であると同時に、「交渉の対象」となる場合もあります。
特にウォーターフォール開発では、各工程での進捗管理と状況共有が重要です。
- スケジュールの遅延が想定される場合は、納期調整や人員の追加を含む複数案を提示
- 「機能維持+納期延期」「機能削減+納期厳守」などの選択肢とその影響を整理
- 判断はチーム内で完結せず、顧客と合意形成を図る
- そのためにも、日常的な報連相を徹底し、信頼関係を構築する
「納期を守ること」と「プロジェクトを成功させること」は必ずしもイコールではありません。
現場からの提案と誠実な対話を通じて、最適な落とし所を見つけることが、エンジニアの“現実的なプロ意識”と言えるのではないでしょうか。



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